2007 師走

◆ご無沙汰いたしました。ちょっと旅に出ておりました。早いもので今年も残すところ10日あまり。私にとりましては結構、重苦しくなりがちな一年でしたが、周囲の皆様に支えていただき、快適に過ごすことができました。ありがとうございました。

◆徒然草第112段に曰く、 「人間の儀式、いずれの事か去り難からぬ。世俗の黙し難きに随ひて、これを必ずとせば、願ひも多く、身も苦しく、心の暇もなく、一生は、雑事の小節にさへられて、空しく暮れなん。吾が生既に蹉蛇(さだ)たり。諸縁を放下すべき時なり。信を守らじ。礼儀をも思はじ。この心をも得ざらん人は、物狂ひとも言へ、うつつなし、情なしとも思へ。殷る(そしる)とも苦しまじ。誉むとも聞き入れじ」と言う生き方にも打たれますね。

◆23日は有馬記念。自分の好きな馬を買って一年を締めくくる日。私は、単勝「メイショウサムソン」。馬単、彼から、ウオッカ、ダイワメジャー、ポップロック、ダイワスカーレットを本線に、ロックドカンプ、ハイアーゲーム、チョウサン、まで手広く。さてさて、いかがなりますことやら。

◆忘年会たけなわ。そうそう、屋久島の芋焼酎「三岳」をお忘れなく。これ絶品ですぞ。1升約4千円。どこで売っているのかですって。さあ、お探し下さい。柏のぶらい庵に行けば飲めますぞ。飲んでみておいしかったら一報下さい。そっと教えて差し上げます。ではでは、これから夕餉の仕度にかかりますので。

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2007

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2007 冬 たっぺっこ

◆寒さが厳しいと言っても、幼少期の冬と比べたら問題じゃありません。なにせ、部屋の中でもマイナス7度はありましたね。あばら屋ですけどね。太平洋岸ですから雪は少ないのですが、風が冷たくて厳しい冬でしたね。今でも両手にしもやけの傷跡が残っています。

◆夕方、小川の一部が田んぼに流れ込むような作業をしておきます。そうして、日の出前には起きるのです。町中の田んぼが凍って(氷のことをたっぺっこと言います)、大きな天然のスケートリンクが完成しています。登校時間まで滑りまくるのです。朝食ですか、どのタイミングで食べたのか覚えていません。下校してからも滑るのです。

◆ただ滑るだけでは飽きちゃいますから、アイスホッケーに興じるのです。道具は全て手作りです。そうそう、スケートは長靴にゴムバンドで括り付けるものでした。種類も、ホッケー用、スピード用、フィギャ用とあり、好みのものを履いていました。

◆温かい日が続くと氷(たっぺっこ)が緩み、田んぼに落ちちゃうのです。中には胸まで入る田んぼがあったりして、危険も伴うのです。それでも夢中でしたね。雪が降ったときは、山に入ります。ソリ遊びです。自分たちでコースを創ります。初心者コースから地獄コース(上級者コース)まで、自分の力量に応じて挑戦しました。

◆夕方、林の中の雪道に、うさぎ獲りの罠を仕掛けます。ハリガネの一方を木に固定し、投げ縄のよう「わっか」をけものみちの(?)中央に置いておきます。そこを通ったうさぎの首がしまると言う罠です。残酷ですか。食べましたね、カレーライスなんかで。臭みがありましたけどね。とまあ、遊びは全て外。遊びを工夫して、皆で遊びましたね。

◆日向ぼっこしながら私の作務衣を縫うおふくろ様の背中を眺めながら、過ぎ去ったあの日のあれやこれを思い浮かべては、感傷的になってしまう私です。老いたのでしょうね。

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2007 初冬 続々 おふくろさま

◆たまには外につれて行きませんと退屈でしょうし、見聞を広めてもらわなくてはなりません。「いや、すごい広い店だね」「すごい人だね」「安いんだね」などと言いながら一通り歩きます。「腰が痛くなった」というので一休み。やれやれと視線を遠くに移しながら、ドトール・コーヒーとジャーマンドックをおいしそうに召し上がるのでございます。

◆風呂を勧めますと、「一番最後でいいよ」と、気を使っていますが、順番なんかいいのです。身の空いている人から入りましょうよ。こうして、8時ごろに床に就くように過ごしております。そうそう、狭い我が家ですから、おふくろ様に私の部屋とベットが取り上げられてしまいました。もちろん、好天の日はふとんは必ず干してあげています。

◆家族の名前を一覧表にしてあげました。孫の名前はしっかり覚えているのです。よく顔をだすひ孫の名前も覚えました。トラねこの「チャチャ」は「トラちゃん」と呼んでいましたがやっと「チャチャ」と呼べるようになりました。娘たちの連合いの職業もインプットしたようです。

◆さて、どのような感想をお持ちなのか分かりませんが、やっぱり故郷が恋しいのでしょう、寂しそうな表情は消えません。ときどき、泣いているのかも知れませんね。長いこと一人で生活させてしまいましたから、感情の表現など、私には物悲しく感じられる場面もありますがいたしかたがありません。少しずつ、豊かになってもらえるようこちらが努めるしかありません。

◆「もう帰りたい」と言い出すのかもしれませんがいずれにしましても来春、桜だよりとともに故郷に帰るつもりでおります。なんとか元気なおふくろ様をみなさまにお見せできますよう、支えて行こうと覚悟を新たにしているところでございます。引き続き、留守中、いろいろとご面倒をおかけしますが、よろしくお願い申しあげます。

◆さてお袋様のお話はこのぐらいにしまして、感動した人物二人を紹介しておきます。一人は、さいたま市立三室中学校2年 木戸一樹くん。第57回全国小・中学校作文コンクール 中学校の部 文部科学大臣賞受賞「父の背中 ~家庭人としての男性のあり方について~。お読みになりましたか。大人たちよ、姿勢を正してチャレンジして行こうか(11月27日 読売新聞朝刊に掲載)

◆もう一人は、山形県高畠町 上和田有機米生産組合 遠藤五一さん。4年連続米作り日本一。遠藤さんの作った米は、5kgで6000円以上の値がついているらしい。彼の米作りと生き様を見ていたら、いくら高くても遠藤さんの米を食べたいと思う。日本の稲作農家よ、がんばりましょうよ。米が大好きですよ(11月26日 12C カンブリア宮殿) 

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2007 初冬 続 おふくろさん

◆拝啓 ご近所の皆様。旅立ちに際しましてお世話になりながら、お礼が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。お蔭様で、こちらに来てからひと月が過ぎようとしています。日増しに順応力を高め、食欲も旺盛になり、ほっと一息ついているところでございます。

◆おふくろさまの一日を紹介しますと、7時ごろに起床をし、身支度を整え、洗濯物を脱衣場に出し、リビングの低位置に鎮座してBS2で朝の連ドラを鑑賞なさいます。その前後に、私は叩きをかけ、掃除機を回します。まあ、その時の汚れ具合で掃除が先か食事が先かになりますが。山の神様は最初の洗濯を起動させ、朝食の準備に入ります。

◆孫たちは、通園バスが迎えに来るまで我が家で過ごしています。襲来される前に朝食を済ませるよう心がけておりますが、食事中に襲われることの方が多くなってまいりました。「おばあちゃん おはよう」と大きな声でおふくろ様に声をかけてくれます。満面に笑みを浮かべて「おはよう」とは応えていますが、長いこと一人暮らしですから、あまりの賑やかさに驚いているのが正直なところではないでしょうか。

◆9時になりますと通園バスが迎えに来ます。見送った後、おふくろ様の散歩の時間です。15分ぐらいでしょうか、歩いてきます。「開かなかった足の指が伸びたよ。正常な形になった」と喜こび、見てみろと言います。成果が出てきたのも励みになるのでしょうね。どんな寒い日も欠かさず続けています。

◆「歩いていたら、声をかけてくれた人が居たよ。おばあちゃん、おはようございます。散歩ですか、寒いですから風邪など引かないように気をつけて歩いてください、だって」へぇ、耳が遠いと思っていましたが聞こえるんですね、優しい言葉は。後日、Sさんに、「お母さんだとすぐに分かりましたよ。そっくりですから」とお言葉を賜りました。ありがとうごまいます。

◆で、帰宅するとテレビの前から動きません。そこで「俺の作務衣を縫ってもらえないか」と言いますと「いいよ」と言うではありませんか。生地を購入し、一式を渡しますと陽だまりで黙々と縫い始めたのでございます。現在、ほぼ上着が完成し、紐をつけるだけになりました。「そんなに急がなくてもいいよ。ゆっくりやってよ」と言いますが聞こえる様子もありません。こうして、陽は西に傾いて行くのでございます。

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2007 初冬 ウオーキング

◆先日の帰省の折、防寒用の帽子を買って来ました。今朝、あまりに寒いので着用して歩いていたら、ゴミ出しに出て来られた主婦の方に笑われてしまいました。こんなに素敵な帽子なのに。まあ、この辺では居ないなあ、まるで北極圏の住民のような帽子を被ってウオーキングしている人は。

◆加えてリックサックを背負っているのです。どうしてかと言うと、ウオーキングの楽しみが増えたからです。コース沿いの農家が「新鮮野菜」という旗を掲げていました。のぞいてみると朝収穫したばかりの野菜が並んでいます。どれも100円。だいこん・ほうれん草・小松菜・春菊・にんじん・じゃがいも・しいたけ・かき・ブロッコリーなどなど。

◆ビニール袋は置いてあるのですが、長距離を歩く手前、手は空けておきたい。そこでリュックにしました。バス停に並ぶ勤め人は、一様に怪訝な眼差しを向けます。リュックの口から大根の葉がにょきっと飛び出し、歩くたんびにゆれる。全身を覆い尽くしている身では、全てが気にならない。どう、このウオーキングの完璧なる美しき姿勢は。てなもんであります。

◆そうそう、驚きの発見がありましたぞ。日本経済新聞と毎日新聞・サンケイスポーツが百円と言う簡易スタンド(自動販売)があるのです。軽トラで現れるオヤジさんがバス停2箇所に設置し、立ち去るのです。一紙10部ぐらいずつでしょうか、7時半に通過するスタンドでは、日経とサンスポは売り切れの日が多いのです。でもね、「百円」とは書いていないのです。「即百」とだけ書いてあるのです。二つのスタンドで60部、6000円の売り上げなり。儲かるのでしょうね。で、これってルールに反しないの?

◆途中、橋の上から眺める富士山が最高なのです。いつも、ああ、あの麓で3年間過ごしたっけ、山麓の宿舎から中腹の青年の家まで毎日、歩いて通ったけと懐かしんでいるのです。御殿場は我が家の第三のふるさと、いや、第二のふるさとですかね。さてさて、明日の朝もはりきって歩きますぞ。

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2007 初冬 おふくろさん

◆「冬の間だけ、こっちで過ごさない」と語りかけたところ、「良いよ。おら、行っても良いよ」とお応えになるではありませんか。こっちに来ることをあんなに拒絶していた方が。ではでは、家内の賛同も得ていたことだしとお迎えに伺いました。

◆帰省するたびに清掃センター通いです。捨てるものが山のようにあるのですから。家の中がおふくろさんの衣類で溢れ返っているのです。「いつ着るの」と腹立たしく問いかけても、都合の良い難聴は,そんなときほど聞こえにくくなるようで「ああ、何言ってんだがわがんね」

◆こん畜生と思って居ると近所の人たちがやって来て、「どこの家でも年寄りの物持ちの良いのには困っているのし」「おらいの義母は、俺の衣服などは、俺が死んでから捨ててくれ」などの話で盛り上がるのです。「死んでからで良いんだから。捨てるのは」ああ、そうですか。朽ち果てそうな家でも、何も物を置かなければ、清々として、住みたくなる空間になるのに。

◆で、やってきたおふくろ様は、私の部屋を占拠。居間のテレビにかじりつきで動こうともしません。そこで、「おふくろの仕事と生活習慣にすること」と言う箇条書きの文を認め、上意であるぞ突きつけ、部屋に掲示したのでございます。なにせ、来春、郷土に戻らなければならないのですから、多少の厳しさは耐えてもらわなければなりません。

◆ですが、田舎の方々は、お袋様は、二度と再び戻っては来ない、もう一人暮らしは無理だと確信しているのです。その証拠に、冬季だけ息子のところに言ってくると言う話を聞きつけた在所の方々は、餞別を手に、見送りに来てくれたのです。

◆私があわてましたよ。ずっと私のところで生活させる気はありませんから。それなのに、みなさん、今生の別れと。いや、来春、必ずつれて帰りますからと大きな声で訴えてまいりました。ですが、10日ほど一緒に暮らして見ますと、この生みの親は見ているだけで涙が止まらないほど老いてしまっていたのです。その上での上意書なのでありますが。続きは徒然なるままに。

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2007 秋 京都 その2

◆どうです、このところ映画館通いに忙しくありませんか。暮れから新年にかけて話題作が目白押しでは。そう言えばMOVIXは、10日がポイント2倍ディーですぞ。「オリヲン座からの招待状」主演 宮澤りえ、今一つまらない映画ですが、宮澤りえの抑えた、さわやかな姿の演技が良いね。大スターに一直線。

◆さて、京都その2。地下鉄烏丸線で終点「国際会館前」に。そこから定期バスで大原に行ってまいりました。月曜日の大原は静かでした。三千院から寂光院とまあ、定番の路を歩いてみました。豪勢な石垣と苔むす庭、広大な自然林、三千院は人を引き付けて止みません。

◆焼けたのですね寂光院の本堂は。再建されたのですがなぜか痛々しくて。地蔵菩薩立像や建礼門院像・阿波内侍像も消失したのですね。お話を伺ったのですが再建への熱ある声だけがひびく本堂かな。

◆最後に三十三間堂。飽きることのない本堂(国宝・南北65間(118m)、ここに31体の仏像(国宝)と1001体の観音像(重文)が安置されている。中で仏像を拝観しても、外から本堂を拝観しても飽きることがない凛とした美しさがありますね。

◆長かった旅に終止符を打つべく京都駅に。安藤忠雄さんがコンペで敗れた駅舎か。今の姿が好きな方も多いのでしょうが、私は今一ですね。隅々まで生きていなくちゃ。まあ、そんなことより、このまちに、いや無理ならこのまちの近くに住んで、月に一度で良いからウオッチングしていたいまちですね。

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2007 秋 奈良

◆快晴の日曜日。奈良国立博物館を長蛇の列が取り囲みました。あとで分かったのですが、午後から入場するのが得策です。来年、行かれる方のために参考まで。いずれにしても、許されるなら、毎年、鑑賞しておきたい催事ではないでしょうか。

◆奈良時代に、国や郡、大寺院などには「正倉」と呼ばれる倉庫が建てられ、穀物や種々の財物、道具類が収められていたのだそうです。その正倉がいくつも集まった場所が「正倉院」だそうです。で、現在、正倉院と呼んでいる校倉の建物は、東大寺の正倉院に建てられていたいくつかの正倉の一つが残ったものなのだそうです。

◆専門的なことは他に委ねる事にして、印象に残っている品は、「紫檀金鈿柄香炉(したんきんでいのえこうろ)」「金銀平脱皮箱(きんぎんへいだつのかわばこ)」「緑地錦几汝区褥(みどりじにしきのきじょく)」の3点と当時、日常着用していた衣装です。現在と遜色ない高度な技術に驚きの連続でした。本当を言うと、欲しい品ばかりなのです。

◆大仏殿から回壇院へ。ここの四天王は最高です。四隅に時国天(東)・増長天(南)・広目天(西)・多聞天(北)と並びます。国宝です。四天王に顔や腹・背中を踏まれ苦しげに絶える邪鬼がまた傑作です。NHKBS2で、7時45分から再放送している「古都の風」のタイトルに映し出されているのがこの邪鬼です。どうぞ、ご覧下さい。

◆ならまちを散策して奈良を後にしました。日曜日、このまちも大変な人でした。でも、奈良には住みたくなる魅力がありました。このまちには住みたくなる昔ながらの住宅がありました。

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2007 秋 京都 その1

◆高松の帰り路、京都と奈良を回ってきました。四国一周も考えたのですが、ぜひ鑑賞したい催事が二つありました。一つは京都国立博物館の「狩野永徳展」、もう一つが奈良国立博物館の「正倉院展」です。そこで、混雑を承知でこのコースを選択したのです。

◆「洛中洛外図屏風」「洛外名所遊楽図屏風」「織田信長像」「唐獅子図屏風」など、ずば抜けた技法と感性が段違いの力量で見るものに迫ってきます。チケットの半券に「信長さま・秀吉さま後推奨!! 天下をとった絵師、京都に見参」とありました。1時間並んで入場した館内も大混雑。もう一度、じっくりと鑑賞したいものです。で、とりあえず、録画したNHKハイビジョン放送で楽しんでみます。

◆土曜日の京都は人の波。いや、バスも乗れたものではありません。四条通・烏丸通・河原町通・新京極・寺町・祇園・先斗町などなど、わんさかと人が集まってきます。一日にどれだけのお金がここに落ちるのでしょうか。

◆おみやげに一澤新三郎帆布のバックをと伺いますと大混雑。お一人様、3個までの限定販売でございます。求めたい品がありましたので草々に退散。で、斜向かいの一澤帆布に視線を送りますと閑古鳥の鳴くような様子でした。いやはや、どうなりますことやら。このバック、京都の御仁は使用していないのではありませんか。

◆混雑にぐったりの一日でしたが、まだまだ、月曜日の静かな京都(?)が残っていますので、期待を胸に宿に向かったのです。

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